ジール整骨院玉野院での治療法について解説!

ばね指に対する徒手療法
ばね指の徒手療法は、指の腱が腱鞘(腱を包むトンネル状の組織)で引っかかり、
指の屈曲や伸展時に引っかかり感や痛みを生じる疾患です。
以下は、ばね指に対する徒手療法の具体的な方法や注意点についての詳細です。
1. 筋膜リリース
筋膜リリースは、指の腱や周囲の筋膜を緩め、腱の滑走性を改善する目的で行います。
手技の詳細:
屈筋腱のリリース: 引っ掛かりの原因となる
指の屈筋腱が通る腱鞘部分を中心に、
親指や手根部で圧を加えながらゆっくりとマッサージします。
圧は適度にかけ、患者様が不快に感じない強さで行います。
ストレッチングの併用: 筋膜リリースと並行して、
腱の滑走を助けるために指を軽く伸ばしたり、
曲げたりしながら行うこともあります。指の根元から指先にかけて、
軽く引っ張るような感覚で伸展させると効果的です。
2. 関節モビライゼーション
関節モビリゼーションは、関節の動きを改善し、腱の引っかかりを減少させるために行います。
詳細な手技
MCP関節(中手指節関節)のモビライゼーション:
指の基節骨と中手骨の接合部分(引っかかっている部分)を、
軽く引き離すように牽引しながら、小さな範囲で前後、側方に動かします。
これにより、関節の可動性が向上し、腱の滑りが改善されます。
PIP関節(近位指節関節)のモビライゼーション:
中節骨と基節骨の接合部分を
同様に牽引し、小さく揺らすようにして動かします。
これにより、関節の遊びが確保され、腱鞘炎による制限が軽減されます。
※どちらの関節に引っ掛かりがあるかによってどちらを行うかは異なります。
3. ストレッチング
ばね指の治療には、指の屈筋・伸筋のストレッチが重要です。
これにより、腱の柔軟性が向上し、腱鞘の滑走性が改善されます。
詳細な手技
指の伸展ストレッチ: 患部の指を他の手で支えながら、
ゆっくりと伸展させます。この際、指の関節を一つずつ伸ばしていくようにし、
特にPIP関節とDIP関節(遠位指節関節)の伸展をしっかりと行います。
逆方向のストレッチ: 指を曲げる動作も行いますが、
無理に曲げないように注意が必要です。痛みがない範囲で、
屈曲を行い、屈筋腱の柔軟性を維持します。
5. 神経の滑走改善
神経の滑走性を改善し、痛みやしびれを軽減するために行います。
詳細な手技
滑走運動: 指や手首を特定の方向に動かしながら、
神経の滑走を促進します。例えば、手首を軽く背屈させながら
指を伸展させることで、正中神経の滑りを改善することができます。
振動や軽いストレッチ: 神経に沿って軽く振動を与えたり、
軽く引っ張るようにストレッチすることで、
神経周囲の組織の柔軟性を向上させます。
6. テーピングとサポート
ばね指の治療では、徒手療法と併せてテーピングやサポーターを用いることがあります。
テーピング: 指の動きを制限しつつ、腱にかかる負担を軽減するための
テーピングを行います。例えば、キネシオテーピングを使い、
指の屈曲や伸展をサポートします。
サポーター: 指に装着するサポーターやスプリントを使用することで、
日常生活での指の負担を減らし、治癒を促進します。
8. その他の補助療法
徒手療法に加え、補助的な療法を併用することもあります。
温熱療法: ホットパックや温熱機器を用いて、指の血行を促進し、腱や筋の柔軟性を高めます。
超音波療法: 超音波を用いて深部組織の血流を促し、炎症を軽減させることが期待できます。
セルフケア・エクササイズ指導
当院では、リハサクという電子カルテを取り入れており患者様のスマートフォンと連携することで
運動やストレッチを動画にて処方し、いつでも簡単に見返すことができるサービスをご提供しております。
そのほか、施術者とチャットにて連絡を取ることができるなど様々な機能がございます。
筋力強化エクササイズ
筋力強化は、腱にかかる負担を軽減し、ばね指の再発を防ぐために重要です。
詳細なエクササイズ
グリップエクササイズ**: 軽いボールやエクササイズボールを使い、ゆっくりと握る運動を行います。握力を強化することで、指の腱や筋肉の安定性が向上します。
- **指の独立運動**: 指を一本ずつ独立して動かすエクササイズも効果的です。各指に軽い負荷をかけながら、曲げたり伸ばしたりすることで、腱の調整機能が改善されます。
7. 生活指導とエクササイズ指導**
患者が日常生活で行うべきこと、避けるべきことを具体的に指導します。
- **生活指導**: 重いものを持つときは手全体を使うようにし、指に過度な負担がかからないように指導します。また、指の過使用を避け、適度な休息を取るように勧めます。
- **エクササイズの継続**: 自宅で行える簡単なエクササイズを指導し、日常的に行うことで再発防止に努めます。特に、ストレッチングや軽い筋力トレーニングを毎日行うことが推奨されます。
9. 継続的なフォローアップ**
治療の効果を確認するため、定期的なフォローアップが重要です。
- **効果のモニタリング**: 徒手療法の効果を確認し、必要に応じて治療計画を調整します。進行度や症状の変化に応じて、治療内容を変更することもあります。
- **再発防止**: 患者が指の使い方に気を付けることで、ばね指の再発を防ぐための指導を継続します。
これらの徒手療法を組み合わせることで、ばね指の症状を効果的に改善し、患者の生活の質を向上させることができます。個々の患者に合わせた適切な治療を行うことが重要です。