膝離断性骨軟骨炎｜玉野市ジール鍼灸整骨院

膝離断性骨軟骨炎（Osteochondritis Dissecans、OCD）は、膝関節の軟骨とその下の骨が損傷を受ける疾患ですが、その原因は複数の要因が絡み合っていることが多いです。
1. 過度の負荷や繰り返しの衝撃
膝は体重を支える重要な関節であり、スポーツや激しい運動で膝に負担をかけすぎることが一因となります。特に、ジャンプ動作や急激な方向転換、着地時の衝撃などが頻繁に起こるスポーツ（バスケットボール、サッカー、スキーなど）では、膝の軟骨や骨に過度の圧力がかかり、それが損傷の原因となります。
2. 外的な衝撃や外傷
交通事故やスポーツでの衝突など、強い衝撃が膝に加わることも膝離断性骨軟骨炎の原因となります。急激な衝撃により、膝の軟骨とその下の骨が損傷し、場合によっては骨片が剥がれることもあります。
3. 血行不良（血液供給の不足）
膝の軟骨部分は血流が少ないため、栄養供給が限られています。そのため、血行不良があると、軟骨や骨の回復が遅れたり、ダメージが修復されにくくなることがあります。特に若年層や成長期の子供において、軟骨への栄養供給が不十分な場合、離断性骨軟骨炎を引き起こすことがあると考えられています。
4. 遺伝的要因
膝離断性骨軟骨炎は、ある程度遺伝的な要因が関係しているとも言われています。家族に同様の病歴がある場合、発症するリスクが高まる可能性があります。
5. 成長期の骨の発達不全
特に成長期（10代）においては、骨の発達が急激に進む時期です。この時期に膝に過度の負担がかかると、軟骨と骨の結合部分に不安定さが生じることがあります。骨の成長が軟骨よりも速く進行し、軟骨に裂け目ができることがあります。これが膝離断性骨軟骨炎の原因になることがあります。
6. 関節の異常や構造的な問題
膝の構造に異常がある場合、膝にかかる負担が偏り、それが原因で膝離断性骨軟骨炎を引き起こすことがあります。例えば、膝関節が過度に外反膝や内反膝になっている場合など、関節の位置異常が発症に寄与することがあります。
7. その他の病歴や疾患
過去に膝の手術を受けたことがある場合や、膝の靭帯損傷、関節リウマチなどの病歴がある場合、それらが引き金となって膝離断性骨軟骨炎が発症することもあります。これらの疾患が膝の構造や機能に影響を与えるため、注意が必要です。

この疾患の症状は、進行具合や発症のタイミングによって異なることがありますが、一般的に以下のような症状が見られます。
1. 膝の痛み
最も一般的な症状は膝の痛みです。痛みの場所は膝の前側や内側、時には膝の深い部分に感じることもあります。痛みは、運動や激しい動作の後に悪化することが多いですが、安静時にも感じることがあります。
運動後の痛み: 特にジャンプや急な方向転換を行うスポーツでは、膝の負担が大きいため、運動後に痛みが強くなることがあります。
歩行時の痛み: 日常生活の中でも、歩いたり立ち上がったりする際に膝に痛みを感じることがあります。特に階段の昇降や長時間の立ち仕事で痛みが増すことがあります。
2. 膝の腫れ（浮腫）
膝の周辺が腫れることもあります。特に、軟骨と骨が損傷して骨片が剥がれた場合、その部分に炎症が起こり、膝に水がたまる（関節液の蓄積）ことがあります。膝が膨らんだように見えることがあり、関節がパンパンに感じることもあります。
3. 関節の可動域の制限
膝離断性骨軟骨炎が進行すると、膝の可動域（動かせる範囲）が制限されることがあります。特に、膝を完全に曲げたり伸ばしたりする動作に痛みを伴う場合があり、動きがぎこちなくなります。場合によっては、膝を完全に曲げたり伸ばしたりできなくなることもあります。
4. 膝の引っかかり感（ロッキング感）
膝を動かす際に、引っかかり感やロッキング感（膝が一時的に動かなくなる感じ）が起こることがあります。これは、損傷した軟骨片や骨片が関節内に浮いて、膝を動かす際に引っかかることが原因です。この症状は特に激しい運動や階段を昇る時に顕著になります。
5. 膝の不安定感
膝の不安定感もよく見られる症状です。膝がぐらつく感じや、支えきれないといった感覚があり、歩行やスポーツ中に膝が不安定に感じることがあります。これは、膝関節が十分に安定しない状態になっているためです。
6. 筋力の低下
膝周りの筋肉（特に大腿四頭筋）が弱くなることがあります。これにより、膝を支える力が不足し、痛みや不安定感が悪化することがあります。膝の痛みを避けるために、無意識に膝の動きを制限することがあるため、筋力の低下が進行することもあります。
7. 段階的な症状の悪化
膝離断性骨軟骨炎は初期の段階では症状が軽く、しばしば無症状のこともあります。しかし、症状が進行すると痛みや腫れ、可動域の制限が顕著になり、最終的には膝の動きに支障をきたすことがあります。