シーバー病（踵骨骨端症）の主な原因
シーバー病は、成長期の子どものかかとの骨（踵骨）の成長軟骨部に強い負担がかかることで発症する炎症性の障害です。成長が活発な小学生〜中学生の年代に多く見られ、特にスポーツを頑張っている子どもに起こりやすいのが特徴です。
以下に、主な原因を詳しくご紹介します。
1. 過度なスポーツ活動・運動量の増加
サッカーや陸上、バスケットボールなど、走る・跳ぶ動作を繰り返すスポーツでかかとに強い衝撃が加わり、炎症が起こりやすくなります。練習量が急に増えたり、休養を取らずに運動を続けることが発症の大きな要因です。
2. 成長期による骨と筋肉のバランスの乱れ
子どもの成長期には、骨の成長スピードが筋肉よりも早いため、アキレス腱が引っ張られるような状態になります。これにより、かかとの軟骨部に強い負担がかかり、炎症が起こりやすくなります。
3. アキレス腱やふくらはぎの硬さ
ふくらはぎの筋肉（腓腹筋・ヒラメ筋）が硬くなると、アキレス腱が常にかかとを引っ張る力が働きます。この持続的な牽引力が、踵骨の成長軟骨部分を刺激し、痛みを引き起こす原因になります。
4. 不適切なシューズ選び
クッション性の低い靴や、かかと部分が硬いスパイクシューズを履くことで、かかとへの衝撃が直接伝わることがあります。成長期の子どもは骨が柔らかいため、靴選びの影響を受けやすく、発症リスクが高まります。
5. 硬いグラウンドや床での練習
アスファルトや硬い土のグラウンドなど、衝撃吸収が少ない環境での練習は、かかとへの負担を大きくします。特に連日の練習や試合が続くと、疲労が蓄積しやすくなります。
6. 姿勢や足のアライメント（形）の問題
扁平足や回内足（足が内側に倒れる形）などの足の構造的な問題があると、歩行時の衝撃が分散されにくく、かかとへの負担が偏ります。このような足のバランスの崩れが、シーバー病の発症を助長することがあります。
7. 急な運動開始や再開
長期休養明けにいきなり激しい運動を始めると、かかと周囲の筋肉や腱が準備不足のまま強い負荷を受けます。ウォーミングアップ不足やトレーニング強度の急上昇も、発症リスクを高める原因の一つです。
8. 体の柔軟性不足
ストレッチ不足により筋肉や腱が硬くなると、動作のたびにかかとに負担がかかります。
特に成長期の子どもは、急激な身長の伸びで柔軟性が低下しやすいため、注意が必要です。
9. 体重の増加
急激な体重増加は、かかとにかかる圧力を高め、成長軟骨に強い負担を与えます。特に成長期に食事量や体格が変化しやすい時期は、体重管理も発症予防のポイントとなります。
10. 休養不足・不十分なケア
痛みを我慢して運動を続けることは、シーバー病を悪化させる最大の要因です。適切な休息・アイシング・ストレッチを行わないまま活動を続けると、炎症が慢性化しやすくなります。